コラム

vol.04 蹴上浄水場

蹴上の交差点から山科に向かう坂道の西側に,蹴上浄水場があります。この浄水場では,琵琶湖疏水から引き入れた水をきれいにして,水道水として供給しています。

明治中期の京都では,井戸水の汚染が問題となっていました。当時は,多くの家庭が井戸水を利用していましたが,衛生面での問題が多く,伝染病も多かったのです。しかも,東京・大阪・横浜といった他の大都市は,すでに安全な上水道を備えていました。

そこで新市長の西郷菊次郎は,明治39年(1906)に三大事業の一つとして上水道新設を打ちだし,市会で可決されます。実現のためには,琵琶湖疏水の水量を増やすため第2疏水をつくり,浄水場を新設し,道路を広げて導水管を埋めないといけません。市は,これらの事業経費をフランス外債でまかない,市民の健康と安全をめざして,京都市街の大改造に乗りだしたのです。

明治も終わりが近づいた明治45年(1912)3月,日本初の急速ろ過式を採用した浄水場が竣工します。こうして市民は,蛇口から流れ出る水道水を,安心して飲めるようになったのです。その水は,備蓄用飲料水「疏水物語」として,絶賛販売中!です。

ところで蹴上浄水場といえば,ツツジの名所として知られています。5月の連休ごろには一般にも開放され,甘い香りを堪能できる人気スポットとなっています。