コラム

vol.07 蹴上発電所

インクライン西側に建つレンガ造りの建物が1912(明治45)年に造られた第二期の蹴上発電所です。第一期の発電所は1891(明治24)年に建てられましたが,第二期の発電所が建てられる際に取り壊され,その跡地に第三期の発電所が1936(昭和11)年に建てられました。第三期の発電所は現在でも稼働しています。

琵琶湖疏水事業は,当初,運河や灌漑用水としての利用が想定されていましたが,建設が始まると当時世界的に普及し始めていた電気の需要を見越して,水力による発電利用も加えられました。

事業の技師であった田辺朔郎と常務委員であった高木文平は,水力発電が運用されて間もないアメリカ・アスペンへ視察に行き,その技術を学びました。水力発電はまだまだ開発途上で先の見えない技術ではありましたが,そこに田辺たちは疏水の命運をかけました。結果,路面電車,街灯,西陣織といった産業利用など,京都は全国に先駆けて近代化の道を進むことが出来たのです。